そもそも、何故虹と沖縄なんてことになったのか。

あれは1週間位前だったと思う。

いつも通り、四人でスタジオをかりて練習中だった。

新曲もかなりできて、近々ライブだから楽しみ…なんて盛り上がってて。

と、買い出しに行ってくれてた柚乃と虹が帰って来た。

あれ?もう一人いる?

最後に入ってきたのは…。

「れぇ~ん。久しぶりぃ~!ライブ見に行っても、なかなか表出てこないから、私は一方的に見てるけどねぇ。」

………。

このバカみたいなぶりっ子は、いちおイトコの舞花(まいか)。

一年に一度、お正月に会うのでさえイヤなのに、何故ここに?

「途中で会ってついてきたのよ。」

心底嫌そうに言う柚乃。

舞花のことは柚乃もかなりニガテとしている。

「ねぇ、桐十くん!私も結構歌上手いんだよぉ?聴いてみてよ~。」

桐の腕に巻きつきながら、ニコニコ笑ってる自称ふんわり系女子。

桐はやんわり腕を外しながら、苦笑い。

突き放してはくれなかった。

女の子にくっつかれて、悪い気はしないんでしょうけど。

なんかイラッとする。

「いや、ここカラオケじゃねぇよ?」

虹が嫌悪感を隠しもせず、舞花をバッサリ。

「知ってるしぃ。蓮と比べてっていってんの。」

「いや、結果はわかってるからいい。」

桐があっさり断っても。