改めて二人に確認してみる。

「これ以上どう言うのよ。充分通じるでしょ。あんた、耳ついてないの?」

柚乃がため息をつきながら、毒を吐く。

「お前、香川組なんてちっさい組の分際で、しかも一般人脅すとか良い度胸してんな。組長のかわりにお前に指つめさせるか。じゃねぇと、蓮に何かされたあとじゃ遅いしな。ただ、沈めるだけじゃ気がすまねぇ。変態に売るか。」

「はぁ?何言ってんの?!」

剥きになって、震えながらも桐に食ってかかる。

もうやめとけばいいのに、さらにパワーアップしたヤクザ娘。

「皇くんには関係ないわよね?!どっか行きなさいよ!」

「はぁ?蓮のことで関係ないことなんかねぇよ。ちなみにお前、勘当されたぞ。帰る家ないから。組長も組と娘なら、組とるってさ。お前のワガママもう聞いてらんねぇらしいぞ。」

「何…言って…。」

急に弱気になった彼女は、ケータイを開いて絶句した。

「お前、オレの名前知ってんのに、気づかなかったのか?」

「皇ってあの…。」

「その皇だ。じゃあな、もう一生会わないだろうけど。」

今やっと最悪の事態を認識できた元、ヤクザ娘さん。

放心状態の彼女を置いて、桐は私の手を引き歩きだした。

柚乃もそのあとに着いてくる。