その夜はなかなか寝付けなかった。

身体中がふわふわとした感覚だった。

あのあと公園で少し話して、家まで送ってもらった。

あんなに遠く感じた氷上が、すぐそばにいた。

本当に彼氏になってくれたんだろうか。

明日になって、嫌になってたらどうしよう…。

でも、中学の卒業式の時には、気にかけててくれてたんだ…。

いや…でも好きだからってわけじゃなくて、私に彼氏がいなかったから ボランティア的なノリ?

いやいや。

たまたまつきあってる彼女がいなかったから どう?
みたいな?

でもあの真剣な表情を思い出し、悪い想像はやめた。

たまたまでも、気まぐれでも何でもいい。

あの太陽のような笑顔が、私に向けられることが、奇跡だ。