氷上のことを好きになればなるほど、
氷上のことがわからない。
今まで一人で考えてきたけど、答えがでない。
ちょうど、部活がある日だったので、誰かに聞いて欲しくなった。
彼氏のいる子をつかまえて、話を切り出した。
「ねぇ。彼氏ってどんな感じの人?」
「いきなりどうした?なんかあった?」
不審がられて当然だ。
普段からすごく仲のいい友達でもないのに。
ごめん‼と心で謝りながら
「なんか、つきあうって、皆どういう風にしてるんだろう…って気になって。」
「うーん。普通だよ。一緒に帰ったり、一緒に勉強したり。」
「付き合ってどれくらい?」
「2ヶ月くらいかなぁ。」
私と一緒くらいだ。
「ねえ。なんか妙に距離をとられたりすることある?」
「距離?遠ざけられてるってこと?」
私はブンブン首を縦にふった。
「うーーん。手を繋ぐまでは微妙な距離感あったけど、手を繋ぐのが普通になってからは感じたことないかな。むしろどんどん近くなっていく感じ。」
「ち…ちなみに 手を繋ぐのにどれくらいの期間あった?」
「えぇ!恥ずかしいなぁ!2週間くらいだよ。
ゆうりのとこはどうなのよ‼ イケメンって噂で聞いたけど。」
手を繋ぐのに2週間…
言えない。1週間でキスされて、その後妙に距離をとられてるなんて。
手を繋いだのは、少々フライング気味のつきあう前だ。
「うん…私は最近よく分からなくて。急に不機嫌になったり、距離をとられたり…と思ったら近かったり…」
「それはよくわからないね。近いって、もしかしてエッチなことされるってこと?」
わぁ。ストレート。戸惑う。
「そこまでは…キスくらい…なんだけど。」
女の子同士でこんなこと話すの初めてだ。
顔が赤くなる。
「私も最近ようやく初チュウしたんだよー。
照れるね!あっ!
あそこに私の彼いるから、男心聞いてみようよ!」
えっ?いや…そんなのいいよ…
と言う前に、通りかかったバスケ部員の中にいる一人の男子が呼ばれてやってきた。
しかも友達も一緒だ。
やばい。見覚えのある顔。
友達…佐藤君だ。
なんでよりにもよって…
相談する相手を間違えた。
話を大きくするつもりはなかったのに。
もう私のことなんとも思ってないだろうけど、佐藤君は、こんな話は聞きたくないだろう。
「いいよ。いいよ。ごめん。もう帰るね!」
その場から逃げようと思ったのに、意外に強引な友達が
「ゆうりが彼氏の謎の行動で悩んでるんだけど、男心教えてくれない?」
と大きな声で叫んだ。
あぁぁ。イタイ。帰りたい。
ごめんなさい佐藤君。
「えっ!深瀬、彼氏とうまくいってないの?」
友達の彼氏が、これまたデカい声で問題提起してくれた。
「うまくいってない…わけじゃないんだけど、行動がよくわからない…というか。たいしたことじゃないから。ごめんね。いいよ。」
あぁぁ。こんなの氷上にも悪い。
適当に誤魔化して、その場を離れようと思ったのに
友達が余計なことを次々と喋る。
「なんか、距離をとられて避けられてるらしいよ。いきなり不機嫌になるんだって。怖いよね。でも、キスは、してくるんだよね?」
あぁぁ。やめてぇぇ。
その通りなんですけど、誤解されるいい方。
「なんだよそれ。全然大切にされてないよな。」
ぐさっ。佐藤君がキレ気味に言った言葉が心に刺さる。
「なんでそんなやつと付き合ってるんだよ。」
「いや…誤解…というか。
私の経験値が低いだけだと思う。どうやって付き合うのかが、わからなくて。
ごめん。大丈夫‼ありがとう!」
その場を去ろうとしたら、佐藤君に腕をつかまれた。
「深瀬を不安にさせるようなやつ、もうやめなよ。」
ヤバイ。完全に相談する人を間違えている。
友達とその彼氏まで、
「そうだよ。ゆうりなら他にも彼氏できるよ」
「その彼氏やめて佐藤にしたらいいよな。」
わぁ。なんてこと。ごめん佐藤君。
完全に巻き込み事故。
「深瀬…」
佐藤君が何か言いかけた。
食い気味に話をかぶせた。
「皆ありがとう。本人にちゃんと聞いてみる!本当にごめん。そんなに深刻じゃないから‼本当にごめん。」
それだけ言ってその場を離れた。
やっぱり相談なんてしなきゃよかった。
余計不安になったし、余計にややこしいことになった気がする。
大切にされてないんじゃないの?
佐藤君の言った言葉が胸に刺さったまま抜けない。
そうなのかな。
でも、この言葉は完全に的をとらえている気はしなかった。
氷上は、わからないことも多いけど、大事そうに私に触れる。
時々見せる少年のような笑顔は昔と変わっていない。
今すぐ、氷上に聞くのは勇気がでないけど、
まずは私が大切にしよう。
この気持ち。
そして氷上を。
大切にされるのを待ってるだけなんて、
なんだか図々しいじゃない?
氷上のことがわからない。
今まで一人で考えてきたけど、答えがでない。
ちょうど、部活がある日だったので、誰かに聞いて欲しくなった。
彼氏のいる子をつかまえて、話を切り出した。
「ねぇ。彼氏ってどんな感じの人?」
「いきなりどうした?なんかあった?」
不審がられて当然だ。
普段からすごく仲のいい友達でもないのに。
ごめん‼と心で謝りながら
「なんか、つきあうって、皆どういう風にしてるんだろう…って気になって。」
「うーん。普通だよ。一緒に帰ったり、一緒に勉強したり。」
「付き合ってどれくらい?」
「2ヶ月くらいかなぁ。」
私と一緒くらいだ。
「ねえ。なんか妙に距離をとられたりすることある?」
「距離?遠ざけられてるってこと?」
私はブンブン首を縦にふった。
「うーーん。手を繋ぐまでは微妙な距離感あったけど、手を繋ぐのが普通になってからは感じたことないかな。むしろどんどん近くなっていく感じ。」
「ち…ちなみに 手を繋ぐのにどれくらいの期間あった?」
「えぇ!恥ずかしいなぁ!2週間くらいだよ。
ゆうりのとこはどうなのよ‼ イケメンって噂で聞いたけど。」
手を繋ぐのに2週間…
言えない。1週間でキスされて、その後妙に距離をとられてるなんて。
手を繋いだのは、少々フライング気味のつきあう前だ。
「うん…私は最近よく分からなくて。急に不機嫌になったり、距離をとられたり…と思ったら近かったり…」
「それはよくわからないね。近いって、もしかしてエッチなことされるってこと?」
わぁ。ストレート。戸惑う。
「そこまでは…キスくらい…なんだけど。」
女の子同士でこんなこと話すの初めてだ。
顔が赤くなる。
「私も最近ようやく初チュウしたんだよー。
照れるね!あっ!
あそこに私の彼いるから、男心聞いてみようよ!」
えっ?いや…そんなのいいよ…
と言う前に、通りかかったバスケ部員の中にいる一人の男子が呼ばれてやってきた。
しかも友達も一緒だ。
やばい。見覚えのある顔。
友達…佐藤君だ。
なんでよりにもよって…
相談する相手を間違えた。
話を大きくするつもりはなかったのに。
もう私のことなんとも思ってないだろうけど、佐藤君は、こんな話は聞きたくないだろう。
「いいよ。いいよ。ごめん。もう帰るね!」
その場から逃げようと思ったのに、意外に強引な友達が
「ゆうりが彼氏の謎の行動で悩んでるんだけど、男心教えてくれない?」
と大きな声で叫んだ。
あぁぁ。イタイ。帰りたい。
ごめんなさい佐藤君。
「えっ!深瀬、彼氏とうまくいってないの?」
友達の彼氏が、これまたデカい声で問題提起してくれた。
「うまくいってない…わけじゃないんだけど、行動がよくわからない…というか。たいしたことじゃないから。ごめんね。いいよ。」
あぁぁ。こんなの氷上にも悪い。
適当に誤魔化して、その場を離れようと思ったのに
友達が余計なことを次々と喋る。
「なんか、距離をとられて避けられてるらしいよ。いきなり不機嫌になるんだって。怖いよね。でも、キスは、してくるんだよね?」
あぁぁ。やめてぇぇ。
その通りなんですけど、誤解されるいい方。
「なんだよそれ。全然大切にされてないよな。」
ぐさっ。佐藤君がキレ気味に言った言葉が心に刺さる。
「なんでそんなやつと付き合ってるんだよ。」
「いや…誤解…というか。
私の経験値が低いだけだと思う。どうやって付き合うのかが、わからなくて。
ごめん。大丈夫‼ありがとう!」
その場を去ろうとしたら、佐藤君に腕をつかまれた。
「深瀬を不安にさせるようなやつ、もうやめなよ。」
ヤバイ。完全に相談する人を間違えている。
友達とその彼氏まで、
「そうだよ。ゆうりなら他にも彼氏できるよ」
「その彼氏やめて佐藤にしたらいいよな。」
わぁ。なんてこと。ごめん佐藤君。
完全に巻き込み事故。
「深瀬…」
佐藤君が何か言いかけた。
食い気味に話をかぶせた。
「皆ありがとう。本人にちゃんと聞いてみる!本当にごめん。そんなに深刻じゃないから‼本当にごめん。」
それだけ言ってその場を離れた。
やっぱり相談なんてしなきゃよかった。
余計不安になったし、余計にややこしいことになった気がする。
大切にされてないんじゃないの?
佐藤君の言った言葉が胸に刺さったまま抜けない。
そうなのかな。
でも、この言葉は完全に的をとらえている気はしなかった。
氷上は、わからないことも多いけど、大事そうに私に触れる。
時々見せる少年のような笑顔は昔と変わっていない。
今すぐ、氷上に聞くのは勇気がでないけど、
まずは私が大切にしよう。
この気持ち。
そして氷上を。
大切にされるのを待ってるだけなんて、
なんだか図々しいじゃない?