深瀬の夏期講習が
気になって気になって気になって仕方ない俺は、真夏の練習を終え、必死に練習後の後片付けを終わらせ、スマホを手に取った。
ーー今日、練習早く終わったから、
予備校終わりに少し会おうよ。
迎えに行くよー。ーー
すぐに返信がきた
ーーうん。待ってるね。ありがと(^ー^)ー
突然だったけど、嫌がられていない。
丁度、授業が終る頃着いた。
中から何人か男が出てくる。
確かに女子はほとんどいない。
集団の最後の方に深瀬を見つけた。
声をかけようとして、躊躇した。
隣にいた男が親しげに深瀬と話している。
背の高い、メガネの男。
誰だあいつ。
あれ、まさか周防か?
俺に気付いた深瀬が、手を振っている。
隣の男も俺に気づき、睨まれたような気がした。
二人が近づいてきた。
「久しぶり。氷上。」
高くなった背と低くなった声に、
小6の周防の面影はほとんどなかった。
「周防君、大きくなったよね。
私、最初気付かなかったもん。」
「ひどいな。深瀬。」
なんだか楽しげに話す二人。
まるで二人が付き合ってるみたいじゃないか。
しかも周防、喋り方や雰囲気まで違う。
ムッとしている俺に気付いたのは周防だった。
「彼氏待ってるよ。深瀬、またね。」
なんか嫌な言い方。
またね。って。
周防って、確か、自信満々で頭のよさを鼻にかける 嫌なやつだったけど、何か違う。
この数年で、余裕ができた感じ。
結局、俺は、何も言えずにいた。
「どうかした?」
深瀬が、無垢な笑顔を俺に向ける。
嫉妬心でいっぱいの俺は余裕がない。
他の男と話さないで欲しい。
他の男に笑いかけないで欲しい。
他の男の目に触れないで欲しい。
俺の部屋に閉じ込めて、
俺だけのモノになればいいのに…
言えるはずのない言葉を飲み込んで、
「なんでもないよ。」
嘘の言葉を吐いた。
夏の間、ずっと深瀬がアイツと会うなんて
嫌だ。嫌だ。
「外はやっぱり暑いね。どっか中入る?」
深瀬が、薄いTシャツを胸元で
パタパタさせながら、笑顔で俺を見る。
深瀬の手を取り、人気のないビルの路地裏に連れて行った。
「どうしたの?どこいくの?」
という深瀬の口を、唇で塞いだ。
ゆっくりと壁に追い詰め、
深瀬の自由を奪った。
俺に芽生えた嫉妬心が 暴走した。
誰にも盗られたくない。
俺だけを見て欲しい。
「ちょっと…待って……どう…したの…」
深瀬の非力な腕で、少し体を離した。
その真っ直ぐなまなざしに、
思わず本音が出た。
「俺以外…みないで…。」
カッコ悪い俺。
どんだけ自信ないんだよ。
深瀬の顔が見れない。
暑い風がビルの隙間を通り抜ける。
ふいに深瀬の腕が俺を強く抱き締めた。
腕の中にいる深瀬を感じても、不安が消えてなくならない。
気になって気になって気になって仕方ない俺は、真夏の練習を終え、必死に練習後の後片付けを終わらせ、スマホを手に取った。
ーー今日、練習早く終わったから、
予備校終わりに少し会おうよ。
迎えに行くよー。ーー
すぐに返信がきた
ーーうん。待ってるね。ありがと(^ー^)ー
突然だったけど、嫌がられていない。
丁度、授業が終る頃着いた。
中から何人か男が出てくる。
確かに女子はほとんどいない。
集団の最後の方に深瀬を見つけた。
声をかけようとして、躊躇した。
隣にいた男が親しげに深瀬と話している。
背の高い、メガネの男。
誰だあいつ。
あれ、まさか周防か?
俺に気付いた深瀬が、手を振っている。
隣の男も俺に気づき、睨まれたような気がした。
二人が近づいてきた。
「久しぶり。氷上。」
高くなった背と低くなった声に、
小6の周防の面影はほとんどなかった。
「周防君、大きくなったよね。
私、最初気付かなかったもん。」
「ひどいな。深瀬。」
なんだか楽しげに話す二人。
まるで二人が付き合ってるみたいじゃないか。
しかも周防、喋り方や雰囲気まで違う。
ムッとしている俺に気付いたのは周防だった。
「彼氏待ってるよ。深瀬、またね。」
なんか嫌な言い方。
またね。って。
周防って、確か、自信満々で頭のよさを鼻にかける 嫌なやつだったけど、何か違う。
この数年で、余裕ができた感じ。
結局、俺は、何も言えずにいた。
「どうかした?」
深瀬が、無垢な笑顔を俺に向ける。
嫉妬心でいっぱいの俺は余裕がない。
他の男と話さないで欲しい。
他の男に笑いかけないで欲しい。
他の男の目に触れないで欲しい。
俺の部屋に閉じ込めて、
俺だけのモノになればいいのに…
言えるはずのない言葉を飲み込んで、
「なんでもないよ。」
嘘の言葉を吐いた。
夏の間、ずっと深瀬がアイツと会うなんて
嫌だ。嫌だ。
「外はやっぱり暑いね。どっか中入る?」
深瀬が、薄いTシャツを胸元で
パタパタさせながら、笑顔で俺を見る。
深瀬の手を取り、人気のないビルの路地裏に連れて行った。
「どうしたの?どこいくの?」
という深瀬の口を、唇で塞いだ。
ゆっくりと壁に追い詰め、
深瀬の自由を奪った。
俺に芽生えた嫉妬心が 暴走した。
誰にも盗られたくない。
俺だけを見て欲しい。
「ちょっと…待って……どう…したの…」
深瀬の非力な腕で、少し体を離した。
その真っ直ぐなまなざしに、
思わず本音が出た。
「俺以外…みないで…。」
カッコ悪い俺。
どんだけ自信ないんだよ。
深瀬の顔が見れない。
暑い風がビルの隙間を通り抜ける。
ふいに深瀬の腕が俺を強く抱き締めた。
腕の中にいる深瀬を感じても、不安が消えてなくならない。