「ちょっとお腹痛くて…ジュース飲み過ぎたみたい…」

うそだけど、今ドアを開けたくなかった。

「大丈夫?戻ってるね。」

愛良が出ていったのと同時に スマホが鳴った。

画面には 氷上涼。

「大丈夫?今Jカラ来たけど、トイレ?何階?」

本当に来てくれたんだ。

うれしかった。

10分で駆けつけてくれた。

泣きそうになった。

「うん。5階。ありがとう。ごめん。」

急いで個室を出てそっとトイレの扉を少し開けた。

通路にはもう誰もいなくて、ほっとした。

急いでエレベーター前に走った。

下から上がってくる。

エレベーターのドアをが開くと、ひさしぶりに見る氷上が息を切らして立っていた。

腕を引き寄せられて、エレベーターの中に引き込まれた。