「昨日はまじでありがとう!」
翌日。優雅君はそう言って水色の袋を私に差し出した。
中を見ると、昨日貸したタオルが綺麗にたたまれて入っている。
うわ、いい匂いする。優雅君家の香りかな。
「どーいたしまして。わざわざ洗濯してくれたんだね。ありがとう!」
「お礼ゆーの俺の方だって」
ねぇ、まだ出会って数日だよ。
なのに…どうしてこんなに胸が締め付けられるのかな?
「あっ!そうだ!メアドと携番聞いていい?」
にこって優しく笑う優雅君。
私、この笑顔好きだなあ。
「私も、聞きたかったんだ」
ポケットからスマホを取り出す。
「…よし!さんきゅっ」
「ありがとう!」
ゆの行には優雅君の名前。
それがすごく嬉しかった。
「うん!」
優雅君の手が私の頭をなでた。
体が熱くなる。ドキドキする。やばい…。
心臓が爆発寸前だったその時。
「優雅ー!」
隣のクラスの男の子の優雅君の名前を呼ぶ声。
「今行くー!!!んじゃあな、玲花」
最後にもう一度、私の頭をなでた優雅君は走って行ってしまった。
「ばいばい」
その後ろ姿に私はそう呟いた。