「お兄ちゃん?本当に心配しなくていいからね?」


お兄ちゃんは、不安そうにしながら部屋をでていった。 


――――学校――――
学校では、昨日の私達の事がウワサされていた。 


《知ってる―?昨日、達也君とサキがキスしたらしいよ!!》


《マジで―?でも、達也ってすっっっごいモテるぢゃん!なんでサキなわけ?》

いつも私の所に来ていた友達が今日は来てくれない。

ハブか……
いやだなぁ。 


《サキちゃん!!》


「え?達也…くん?」


達也はニコニコしながらこっちに向かってきた。 


来たらさらに恨まれるんだけどなぁ。 


《サキってさー、ブリッコじゃない?いつも男子に話しかけてるし―。》


…なにそれ……。 


私がうつむいていると、 

《ふざけんじゃねーぞ!
お前らにサキの何が分かんだよ!!》


「…たつや……」


達也は、私を教室から連れだしてくれた。 


外にでるには、高等学校つまりお兄ちゃんの教室の前を通らなければならない。

お兄ちゃんに勘違いされるのはイヤだった。 


「ね、達也君。保健室にいるから大丈夫だよ?」


「…でも……」


大丈夫だよ。そういって私はムリに笑った。