「大翔は綾乃ちゃんを守れて満足してるはずよ」


お姉さんはそう言って切なげに笑った。

え……?

その言葉は今のあたしにとっては驚きが隠せないほどの言葉だった。


だって、もっと責められるのかと思ってたから。
「なんであんたが生きてて大翔があんな目に…!」って言われるのかと思ってた。


ヒロくんのお姉さんは昔からちょっと男勝りなところがあったから。
あたしはかっこいいなぁと思って見てたんだけどね。


今ではすっかり美人さんになって羨ましい限り。


お姉さんの隣にいたヒロくんのご両親も深く頷いていた。


「あの子がなんで頭がいいのか、運動が得意かなのか知ってる?」