事故の衝撃を受けて、花びらはだいぶ散ってしまってはいるけど、あたしはそれでも良かった。
だってこれはヒロくんがくれたもの。
ヒロくんの“愛の言葉”が詰まったもの。
その“愛”は妹としての愛なのか、それとも女の子としてなのか…それは分からないんだけどね。
まず、意味を知っているすら分からないけど、それでも嬉しかった。
あたしはもう出会っていたんだ。
命懸けであたしを守ってくれて、このお花をプレゼントしてくれるとっても優しくて素敵な人と────…。
ずっと、ずっと前から出会っていたんだ。
ただ、気づくのが遅かっただけで、ヒーローはいつでもあたしのそばにいてくれた。