「ヒロくんっ…!やだよぉ…!!」



それから、しばらくして救急車が来て、ヒロくんは市内の一番大きな病院に運ばれた。


あたしも一応そこで頭などに異常がないか調べるために入院することになった。


ヒロくんは病院に着くと、すぐに手術室に入った。


そして、手術室の前ではあたしとヒロくんの家族、あたしのママがヒロくんの手術が終わるのを涙ながらに待っていた。


あたしはヒロくんがあの時差し出してくれたものをギュッと握りしめる。


ヒロくんがあの時必死になって手を動かして探していたものとは、

いつかヒロくんがあたしは貰えないと言っていた


―――コウチョウランとセンニチコウの花束だった。