「ほんと、お前は…泣き虫な、やつだ…」


そう言って苦しそうに顔を歪ませながらも必死に手を動かして何かを探している。


「ヒロくんっ…もう動かないで…!」


動いたり、喋ったりしたらほんとにヒロくんが死んじゃいそうで…。

あたしの言うことを聞こうともしないで、まだ手を動かすヒロくん。

そして、何かを掴んでそれをあたしに差し出した。


「ほ、ら、これ、やるから、泣きやめ」


ヒロくんが差し出したものを見た瞬間、あたしの視界は涙で歪んで、再び涙腺が崩壊した。


ヒロくんはあたしの頭の上に自分の手をぽんっ、と置くと苦しそうだけど、あたしの大好きな笑顔を見せて意識を手放した。