いや!ちょっと待って!
目を閉じないで!起きて!
「熱あるから家においでよ!
歩けないなら支えるし!ほら起きて!」
ってもう1度起きるように急かすと
「頼む…倒れそ…。」と彼は呟いて
私に抱きつくような形で
倒れかかってきた。
私はプチパニック状態になったまま
彼をなんとか立たせて
彼の方に傘を差しつつ帰路を歩いた。
けれど、遠回りしたから、遠い!
なんとか着いた私は彼と
そのまま家に入ろうとすると
彼がピタリと止まった。
「どうしたの?」って聞くと
「…やっぱ申し訳ない気が…。」
って病気だからか弱気で声も弱く言った。
「病人はそんなこと気にしなくていいの!」
人のウケウリだけどそう言うと
今度は素直に一緒に入った。