15:30 学校が終わる

逃げるように教室から、生徒から、先生から去って行く。
ここには偽物しかないから。

アットホームなクラスルームなんてどこにもなくて、
Twitterでは悪口しか書けない様なゴミが仲良しごっこしてる。
期待の言葉の反対に、諦めの言葉をかけて来る先生という肩書きのドリームクラッシャーがいて、
学校という場所は、私にとってなんのメリットもない所だ。居ても疲れるだけ。



15:45 駅の公衆トイレ
私はここで自分に魔法をかける。

バッチりメイクして、
髪も巻いて、
制服を隣町の学校のものに着替える。
学校の制服なんて、JKの名刺みたいなもんだから、正直うちの学校の制服なんて着て外なんか出てられない。

ほら…鏡の中に映るのは、もう15:30までの私じゃない。


16:00 涙ぼくろを書く

これは、意味なんてあまりないけど。
ブラックブラウンのアイライナーで、左目に涙ぼくろを書く。

保険みたいな感じ。

私が私だってバレない様に。

舞踏会に行ったのが意地悪な義理母にバレたら、きっと、また酷い仕打ちを受けるでしょう?


ほら、もう大丈夫。
私はフェアリーゴッドマザーなんていらない。
自分で作れちゃうもん。

自分で、自分を幸せにしてやるの。