渋滞し始めたハイウェイを、ジェイソンは車体の大きなハンヴィーで縫うように走る。

まるでスポーツクーペか何かのような、軽快なハンドリング。

バニングが運転していたのと、同じ車とは思えない。

やがて。

「見えてきたぞ」

ジェイソンが、ステンレス無塗装の車体を捕捉する。

高速鉄道アセラエクスプレス。

遂に追いついた。

しかし、平均速度135キロのアセラエクスプレス。

それに対し、ハンヴィーはせいぜい125キロしか出ない。

直線で追いつくのは至難の業だ。

「車を寄せるぞ」

ジェイソンは限界までアセラエクスプレスに近付き、並走する。

「カーブで列車が減速する。そこを狙って、車両に飛び移れ」