「もう戦争はウンザリという訳か」

ニコライが呟く。

「…某国の大統領が、ある傭兵部隊のリーダーにこう言われたそうだ」

「……」

ニコライの言葉を、バニングは黙って聞いている。

「糞外道みたいなテロリストどもを、1人でも多くこの世界から根絶する。それがアンタのような破天荒な大統領の役目だ。アンタみたいな滅茶苦茶な男が、この混沌とした世界には必要だ、と…適材適所という奴だな」

ニコライの蒼い瞳が、ジェイソンを見た。

「テロリスト然とした私が言うのも何だが、君には戦える能力がある。知識が、技術が、経験がある。君のような有能な兵士が、この混沌とした世界には必要なんじゃないか?」

含蓄のある、説得力を持った言葉。

「まるで大統領にでも説教されてる気分だ」

ジェイソンはステアリングを握ったまま呟いた。