~~~~♪
「もしもし」
『あ、もしもし~?』
「もしもし、どしたの?」
『明日やっと会えるね』
明日は3ヶ月ぶりのデート
会うのも3ヶ月ぶり
二人とも忙しかったからね
しかも遠距離恋愛だし
「凄い楽しみ」
『そうだね』
「服何着ようかな」
『何着ても可愛いよ』
こっちは真剣に悩んでいるんです
何着てもって言われても、真剣に考えるよ
だってね?
可愛い女の子なんて沢山いるんだから
その中でも一番に思われたいもん
『今ね市内の駅で電車待ち中』
「なるほど、一時間くらいしたら到着って感じ?」
『多分そのくらいかな』
いつも同じ空の下にいることは分かっている
でも実感がわかない
でも今は同じ県の空の下にいる
なんか実感わいてきた
「早く会いたいなぁ…」
『俺も』
胸がぎゅってなる
早く会いたくて切なくなる
もどかしい
(…服選らばなきゃ!!)
電話がきれたあと明日の準備にとりかかる
バッグの中に必要な物を入れていく
まぁ、そんなに入れる物なんてないけどね
机の上に明日身につけるアクセサリーを並べる
ペアリングも忘れずにね
あと、腕時計も
ペアの物は全部だして、どれにするか厳選した
明日は最寄り駅前で待ち合わせ
あの人は、駅前のホテルに泊まる
集合時間は…よし、確認した
(修学旅行前みたい)
準備できた
忘れ物はないはず
よし、お風呂へいこう
(あ~楽しみすぎる)
明日のことを考えてにやにやしてたら
長風呂してしまった
恐るべし3ヶ月ぶりデート
~~~~~~♪
「もしもし」
『あ、もしもし?』
「もしもし、どしたの?」
『着いたよ!』
「おー!なんか嬉しい」
『すぐ会える距離だね』
「うん、幸せ感じまくってます」
『ねぇ、月が綺麗だよ』
「ほんと?見えるかな」
『外に出て見てみ』
「え~外に出るの?」
『いいから』
「え~」
『綺麗に見えるポイント、教えてあげるから』
「??うん」
湯冷めしないように上着を着て外に出る
田舎だからパジャマでも大丈夫だ
「外に出たよ」
『そのまま家の前の道路方面ににでて』
あれ?
あれれれ?
誰かいる
え?うそ?
『あ、バレた?』
歩いてた私の足は
いつの間にか走っていた
だってね?
あの人がいたんだよ?
あの人が腕をひろげて待っている
私はその腕に飛び込んだ
3ヶ月ぶりのあなたのにおい
3ヶ月ぶりのあなたの感触
3ヶ月ぶりのあなたの直接聞く声
3ヶ月ぶりのあなたの体温
沢山の3ヶ月ぶりが出てきて
目から沢山の涙が溢れ出す
「明日じゃなかったの?」
やっとの思いで聞く
『会いたくて来ちゃった』
「でも田舎だからもうバスないよね?」
『タクシーだよ、ほら、待たせてる』
「…ほんとだ」
わざわざタクシーで来てくれたんだ
ありがとう
『あと、誕生日』
「え?」
『会えなかったし、プレゼント渡せてないから…はい、これ』
紙袋に入れられていたプレゼント
「開けていい?」
『どうぞ』
…チェキだ
欲しかったチェキだ
『…普段は欲しいとか言わないのに珍しくこれが欲しい!って言ってたから』
きっと1回しか言ってない
他愛もない会話の1つにすぎないのに覚えてくれてたなんて
「ありがとう」
そう言ってぎゅってした
『…こっちみて』
「ん?」
顔をあげたとき、一瞬重なったふたつの唇
「…タクシーの運転手さんおるのに」
『大丈夫だよ』
抱きついて照れた顔を隠した
『んじゃ、また、明日ね』
「…うん、また明日」
最後にもう一度抱きしめあった
パジャマに残るあなたのにおい
唇にはまだあなたの感触が残ってる
高鳴る胸を抑えながら家に戻る
(あ、月…)
月のことをすっかり忘れていた
きっと、綺麗にみえるポイントは二人で見ることだよね
デート前日なのに
会いにくるなんてフライングだよ
明日が凄い楽しみだな
今日の夜寝れるかな
期待と不安で胸をいっぱいにしながら
私は明日のデートのために早く眠りにつく
(…大好きだよ、おやすみなさい)