朱里は海に来ていた。

靴を脱ぎ捨てて
裸足になって
自分の首につけている
ネックレスをそっと握り締めて
一筋の涙を流す。

その涙は
左手薬指に光る指輪に落ちて
朱里は呟いた。

「夜月くん…」