「嫌だって言ってるでしょ!

あなたとは絶対にヨリを戻さないし、あなたのところにも帰らない!

だから離してよ!

もうやめてよ!」

腕をつかんでいるその手を振り払っても和明はつかんでくる。

「本当に悪かった!

もう2度としないから戻ってきてくれ!

俺が悪かったから戻ってきてくれ!」

「やめて、離して!」

「何をしているんですか?」

第3者の声に視線を向けると、
「店長…」

藤岡さんだった。

「えっ、店長?」

和明は藤岡さんの方に視線を向けると、
「なあ、あんたからも言ってやってくれよ」

救いを求めるように彼に声をかけた。