「浮気したうえに子供を作っといて、今さら何を言ってるの?」

そう言った私に、和明は申し訳なさそうな顔をした。

「こんなことを言うのもあれだけど、彼女との間にできた子供は俺の子じゃなかったんだ。

俺の他にもつきあっていた男がいたらしくて、そいつが父親だと言って彼女の前に現れたんだ」

和明が言った。

「それで、私とヨリを戻したいってことなの?」

そう言った私に、和明は首を縦に振ってうなずいた。

「許してもらおうなんて言う気持ちは一切ない。

自分の身勝手で別れた以上…」

「ふざけないでよ!」

和明の話をさえぎるように、私は怒鳴った。

「今さら何なのよ!?

彼女との間にできた子供が自分の子供じゃなかったからと言う理由で別れて、それで私とヨリを戻しましょうって何なの!?

自分から婚約破棄をしておいて、一体どう言う神経をしているの!?」

怒鳴る私に、和明は何も言えないと言うように唇を閉じた。