何故だかよくわからないけれど、私たちの間に沈黙が流れた。

先に沈黙を破ったのは、
「あなたをここへ呼んだのは、話がしたかったからです」

藤岡さんの方からだった。

「話、ですか?」

そう聞き返した私に、
「あなたと込み入った話がしたくて、あなたをここへ呼んだと言う訳です」

藤岡さんが答えた。

そんな理由で中井さんを使って私をここへ呼び出したんですか!?

「でもあなたは覚えていないらしいですね」

「えっ、あの…」

何をですかと聞こうとしたら、端正な彼の顔が近づいてきた。

どうしよう…!

これって、どうすればいいの…!?

そう思っていたら、
「藤岡さん、どこですかー?」

部屋の外から彼を呼ぶ声が聞こえた。