晃に置き手紙をして、朝早くから向かった場所はやつらの巣窟。


ピンポーンとチャイムを鳴らせば、インターホンから声が聞こえてくる前に扉が開いた。



「みゆちゃんっ……朝からどうしたのー?」



ふわぁああと眠そうに、だけど嬉しそうに笑ったのは凛太郎くんで、右手で目をこすってはあくびを繰り返している。



「おはよう…慎太郎くんいる?」


「んー……多分新しいゲームしてる…」


「へー…そう。」



……あの糞男っっ!!!



心の中では、暴言を吐いているけれど頑張ってる彼の前では口に出さないようにグッと耐えた。



みんなで心配してたんだもん。
凛太郎くんの寝不足の原因も双子の兄であるあいつのせいだ。



「お邪魔してもいい?」


「朝ごはん食べたーい…」


「うん。慎太郎くんとお話が終わったら作るね」



パァアアと笑顔が輝いて、そのまま中に入れてもらう。途中ガチャリと浴室のドアが開いて、中からしーちゃんがでてきた。




「あら、みゅー」


「っ!!ちょっ!ふ、服!」


「服?あらやだ。あんた照れてるの?可愛いところあるんだから。」



ふふ…といたずらに笑った彼じ…いや彼は、以外にもしっかりとした身体をしていて目のやり場に困る。



勝手におねぇちゃんとか思ってたけど、やっぱり身体は男性なんだなぁと変なところで納得。




「慎ちゃんのことが気になって、私としたことが昨日半身浴もできずじまいだったの。それなのにゲーム買うのに並んでたなんて拍子抜けだわ。おかげで少し肌も荒れてるし」



「…そ、そ、そうだよね。わ私お説教してくるからしーちゃんは着替えててね。」


「……照れ屋さんね。わかったわ。地雷踏まないようにね」




自分の部屋へ歩いて行った彼の背中は、やけに色っぽい。



蓮斗さんもかなり色っぽいけど、2番目は間違いなくしーちゃんだわ。


ってそれどころじゃない。




”地雷”が一体なんなのかは、わからないけれどあくびをして今にも寝ちゃいそうな凛太郎くんをとりあえずリビングに送る。そしてその足で、双子の兄の部屋へ。



「…慎太郎くん。心優ですけど。」