とりあえずメンヘラがお風呂に行ったので、私はその間にケチャップまみれの部屋を掃除。よくもまぁこんなに使ったものだ。勿体無さすぎる。ちゃんとお説教しなくちゃ
ケチャップ付きレジャーシートをたたんで、凛太朗くんがでてからお風呂で洗おうとビニール袋に入れた。
よく見ればこの部屋やたら暗い。
カーテンのせい??こんなところにずっといたら心が病みそう。
心の中で文句を言いながら思い切りカーテンを開けておいてやった。
ビニール袋を持って、リビングへ行くとちょうど凛太朗くんがお風呂から出てくる。
上 半 身 裸 で
しかし上を着ていないということよりも私の目に留まったのは、このほっそい身体
「…凛太朗くん」
「ん?」
「ごはん…ちゃんと食べてるでしょうね!!?」
キッと睨みつけてそう質問してみたら、彼は少し考えて
「食べてる……今日はイチゴの飴食べた…」
と恐ろしいことを言い出した。
「は!?」
「昨日の夜はグミを食べたよ……」
思わず顔が引きつる。
いや、私はご飯って聞いたんだけど……主食はお菓子ってこと??
「……ご飯食べてないの……?」
「……食べた……」
「いや、お菓子はごはんじゃないから!!!馬鹿!!本当に死ぬわよ!!!」
問題がありすぎると、レジャーシートを置いて勝手ながら冷蔵庫を開けた。
…お、恐ろしいほど何もない上に細かく名前が書いてある………
「…ちょっとコンビニ行ってくるからここで待ってて」
「……え、どうして?」
「…作るから!!!ご飯!!!」
「僕別にいらない…」
「いらなくても食べなさいっ!!」
アイドルって踊りもするし、歌も歌うし、ライブではぶっ続けで体力いるんだよね…
それなのに、こんなんじゃアイドルの卵にすらなれないわ。
慌てて買い出しに行き、適当に買って戻ってきた。
「……普段全然食べてないなら、いきなり重いものを入れると胃が大変なことになるよね。うどん作るからもう少し待ってて」
失礼します。
と凛太朗くんの返事を聞く前に勝手にキッチンで料理を始める。厳しいおばあちゃんに、しっかり花嫁修業させられた私に料理で怖いものはない。
口の悪さがなければ、すぐにでもお嫁に出しても恥ずかしくないとお墨付きはもらってる。
……口が悪いのもおばあちゃんの影響なんだけどさ。
ちゃんと美味しいものを食べさせなくてはと出汁も自分でとって、ふわふわ卵うどんを完成させた。
目の前にトンッと出したら、彼は
わぁ…と子供みたいにそれに見入っている。
「…ほら…食べな。ゆっくりね」
「僕、猫舌……みゆちゃん冷まして……」
「ああ!もう!!小さい器に移してあげるから!!」
……私、一応成人近い男の子と話してるよね?
まるで子供と会話してるみたいだ……