「やったわね!これはチャンスよ!彼が、ドキドキキュンキュンしちゃうような返信、しちゃいなさいっ!」

ぴっと私に人差し指を向ける。

「ドキドキキュンキュン…?何じゃそれ?」

「彼から来るってことは、送った方は、いつ返信が来るかなぁって待ってるわけでしょ?そこで、ドキッとするような返信が来たら、月影の印象もよくなるんじゃないの?」

もっともなことを、彼女はすらすらと言った。

「な、何て返そう……?」

お気に入りの、しろくまのクッションを抱きしめて、アゲハにスマホを差し出す。

「ま、ここはあえて、あっさりした文面でいいんじゃないの?そのあと返信が来たら、反応よく乗ればいいんだから。」

ははぁーと、感嘆の息を吐き、彼へ返信を打つ。

『なに〜?』

そして、はやく既読が付かないかと、祈りを込めて、画面を見つめた。