よく見ると、送られて来たのは2時間近く前だ。彼は早起きだなぁ、と感心する。

「うわっ、なんか月影が寝起きでにやにやしてる!」

はっとして振り返ると、にやついた笑みを浮かべるアゲハがいた。

「なに?結弦君の夢でも見ちゃった?」

「見てないよ!」

あわてて反撃する。もう手遅れだと知りつつも。

「じゃあ、どうしたのよ〜?月影がにやつくことなんて、彼のこと以外にあるのかしら?」

どきっ。

…ないです。

しぶしぶスマホの画面を見せる。本当は、自分だけに送られて来たんだから、独り占めしたかったんだけど。

「あらっ!結弦君からじゃない!彼から来ることなんてあるのね。」

「なにー?!ありますっ!初めてじゃないもん!……でも、あんまりない、かなぁ。」

来ても、大抵は社交辞令。

“「課題、終わった?」” とかね。