……もう最悪!!
家へ向かう帰路のコンクリートを、怒りを込めて強く踏んだ。
何も、あんな大きな声で言わなくたっていいのに。あの時、みんながわいわい騒いで、私に質問ぜめしてる時…、私は気付いてしまった。
結弦君のまあるい瞳が、こちらを向いていることに。
恥ずかしくて恥ずかしくて、もう、愛希をスクールバッグで殴って、教室を出るしかなかった。
「いってぇー!何すんだぁ、月影ぁー!!」
そのふざけた愛希のリアクションも、みんなの好奇心をさらに揺らした。
結弦君の視線も、しっかりと感じていた。
何よ、愛希め!
告白しろって言われて、やっと、しようって思えたのに。やっと勇気が出てきたのに。
それを今更、壊さないでよ……!