その日、家に帰ってからずっと考えていた。机に向かっているときも、ご飯を食べているときも、お風呂に入っているときも。
湯船に浸かりながら、はぁーっと大きく息を吐いていると、窓からさぁっと風が吹いてきた。
「どうしたの?やけに思い悩んでるみたいじゃない?」
紫色の彼女だった。
声でそう判断し、顔を上げないままつぶやく。
「…だってさ、愛希にあんなこと言われたら、そりゃあ多少は考えちゃうよ。」
「…ふーん?多少、には見えないけどね?」
彼女にもっともなことを言われ、かぁっと顔が熱くなる。
「…だってさっ、告白だよ?告白なんてしたら今の関係どうなっちゃうの?…私は、今の関係に満足してるのに。」
「満足ねぇ。本当に満足してるのなら、愛希君の言ったことに、そんなにとらわれることは無いんじゃないの?」