やっぱり、愛希って、理解不能。

「ねねね、愛希と何話してたのー?教えてよ!」

愛希が廊下に出ていくのを見届けると、彼女は目をきらきらと輝かせて、私を見た。

「何だろうね・・・。なんかきーちゃん、キャラ違うよ・・・。」

「何よぅ。教えてよー!もしかして私の話?」

なんちゃってーと言いながら、彼女は顔を赤くする。そうだったらいいな、という感じだろうか。幸せ者だなぁ。

「好きな人の話、だよ。」


そう言うと彼女は、はっと顔色を変えた。
先ほどまでの甘い声とは裏腹に、真面目な声になる。

「えっ・・・?」

この分かりやすいとこ、彼に似てるなぁ。


「愛希、好きな人、いるの?」

「ん。いるらしいねー。」

「だ、誰?」

「いやー、それは知らないんだよ。教えてくれなくて。」

「・・・・・・・・・。」

そう言うと、彼女は黙りこんでしまった。その、うさぎが耳を垂らしているみたいな落ち込みように、何だかこちらまで悲しくなってきた。

「あのね。なんか、その子に告白するんだって。誕生日までに。」

えっ?っと、不安として少しの希望の混じった声を出す。

「てか、愛希の誕生日っていつだし。」

「25日。12月25日だよ・・・!」

「・・・え、」

えええーー?!
まさかの、クリスマス?!