そう聞くと、彼はかぁっと顔を赤くした。耳まで真っ赤だ。

「・・・な、なんだよっ!急に!」

「急にって、愛希だって急に聞いてきたくせに・・・。ってか、愛希、顔真っ赤すぎ!」

真っ赤っかになった彼は、今にも沸騰しそうだ。

「どんだけその子のことが好きなのさ・・・。」

「うっせー!お前が急に話変えるからだろーが!ぬりかべの話から、何で好きな人の話になるんだよ!」

「もー、ぬりかべはいいよ!それより、好きな人誰だか教えてよ!」

「・・・んな簡単に教えるわけねーだろ。」

急に開き直る彼。でも、まだ顔は赤いままだ。顔が赤いと、何だかいつもより幼く見えて、少しだけ、可愛い。

「じゃあさ、ヒントだけでも教えてくれない?」

「なんかもう、ほとんど言ったような気がするけどな。同じクラスなことは言ったっけ?」

「うん。多分・・・。なんかもう忘れちゃったよ。あと、なんて言ったんだっけ。」

「あとは・・・、席が近いとか?」



「えっ?!それ、初耳なんだけど!え、ほんとに?!」

心のどこかで、彼ときーちゃんの席が近いという事実に戸惑っていた。

アゲハ・・・。


やっぱり、愛希の好きな子って、きーちゃん、じゃ、ない、の・・・?