「どうしてぇ?」

「あたしの推測が正しければ、の話だけど。月影には、あのふたりが仲良しに見えてるかもしれないけど、それは間違いね。
ただ、そのきーちゃんって子が愛希君に話しかけてるだけよ。」

最初、彼女が何を言っているのか分からなかった。

「そりゃあ、頑張って話しかけるわよねぇ?だって、誰だって、好きな人に振り向いてほしいもの。」

「・・・・・・え?」


「・・・そのきーちゃんって子、愛希君のことが好きね。間違いなく。」

アゲハは、綺麗な瞳をきりっとさせて言い切った。

「・・・でも、残念ながら、きーちゃんの片想いね。100%!」

「えええ?!100%ってことはないでしょ?私も前、きーちゃんって愛希のこと好きなのかなぁって思ったことはあったの。
だから、ふたりは両想いかなって・・・。」

「月影って、洞察力がないのね〜。」

彼女は、はぁっと白い息を吐きながら、ケラケラ笑った。

「あんまり、人の心をペラペラしゃべったらいけないんだけど、これだけは言わせてもらうわ。愛希君の好きな子はきーちゃんじゃないわよ。」

「え〜。ほんとに?」

「ええ。あたしも驚いてるわ。一見、相思相愛に見えるもの。・・・でもね、愛希君から、きーちゃんに対する感情が伝わってこないのよ。おかしいわねぇ。」

きーちゃんに対する・・・感情・・・?