翌朝、いつもより早起きをして、あの野原へ向かった。青々しい野原に、ひときわ目立つ紫色の彼女。

「アゲハー。おーはーよー。」

「あら、月影!なんか久しぶりね。風邪は治ったの?」

「まぁ、もうだいぶいいよ。・・・それより聞いてほしいことがあってさ・・・。」

私は、昨日愛希と話したことを、大まかに伝えた。すると、まあるい瞳を、もっとまあるくした。(最近、彼女が紫色のドレスを着た女の子に見える。)

「えーー!デート?!」

こんな可愛い驚き方をする彼女は、だんだん普通の女子中学生に見えてくる。

「ちょっと、急に行きすぎじゃない?!」

「だよね。まだ付き合ってもないのに、急にデートに誘うなんて、オッケーもらえるはずないし・・・。」

「え、何、気になるとこ、そこなの?オッケーもらえるはずないってことは、誘う気はあるのね?」

アゲハからの思わぬ指摘に、どきりとした。

「・・・いや、だって!愛希が、私が好きな人をデートに誘ったら、愛希も誘うって言うんだもん。」