「そんなだから、好きな子だって、振り向いてくれないんだよ・・・。」

「・・・え?なんて?」

思わずぽつりと呟く。

なんでもない〜と言いながら、教室に着くなりすぐさま自分の席に座った。

ちら、と左斜め後ろの席を見てみる。
彼・・・結弦君の席だ。
彼は、まだ来ていない。

早く来ないかなぁ。
今日無理して学校に来たのは、彼に会うためでもある。

風邪をひいて眠るとき、眠りが浅いから、大抵夢をみる。その夢には、やたらと彼が登場した。何でかなんて、考えるまでもない。

眠る前に彼のことを考えるのだから、夢に出てくるのは当たり前ですらあるのだ。

だから、彼と会うのは久しぶりではない。

夢で会ってることを知ったら、彼はどう思うだろうか。
嫌だと思うかな。