きーちゃんは、英語の課題をやらなくてはならなかったので、しかたなくその会話は途切れてしまった。

私も、そのあと、自分の課題に向かおうとしたのだが、先ほどのように集中出来なかった。ずっと、彼のことを考えてしまう。彼のことが頭から離れない。

早く、ふたりでおしゃべりしたいな。

「月影〜!英語の課題、見して!」

そんな夢の中にいるようにふわふわしていたら、そのふわふわの世界から、急に現実に引き戻された。

「愛希・・・!今、いいところだったのに。」

愛希の登場で、いい気分が台無しになってしまった。

「何がだよ〜。てか、英語、見してよ〜。」

「さっき、きーちゃんに貸しちゃったよ〜。」

そう言うと、あからさまに大きな溜め息をついて、あわて始めた。
そして、他の人に借りようと、手当たり次第に聞きまわっている。

そんなことをするくらいなら、自分でやってくればいいのに。

「なぁ!月影!さっきの話の続きだけど・・・。」