その夜。
ようやく宿題を終えて、スマホを手に取る。LINEを開くと、愛希から1件来ていた。

『おしえんわ』

・・・はい!?これだけ!?
本当に言う気がないのか・・・。

『分かったよ〜。じゃあ、ヒント教えてよ』

ぱっと既読がつく。彼は暇らしい。

『つきかがヒント教えてくれるなら考える』

うぐ、と言葉が詰まる。どうして愛希は、私が一番恐れていることを、みごとに言って来るのだろう。だが、そこまではっきり言われると、もう悔しさすら湧いてこない。

『同じクラスで、1・2部』

『それはわかってるわ』
『もっとほかのこと』
『じゃあ、名前は何文字?』

名前・・・?
さ、く、ら、い、ゆ、づ、る、・・・7文字かな?てか、そんなこと言ったらバレるじゃん。もっと、みんなに当てはまるようなことを答えなくちゃ。

『それは言えない笑笑』
『てか、あいきの好きな人についても教えてよ〜笑笑』

『うーん』
『1部か2部かもな』

なんで、自分で言っといて疑問形なの?本当に愛希って、意味がわからない。

てか、1・2部ってことはやっぱり、きーちゃんだね。きーちゃんは1部の私の一つ前の席だから。

ひょっとして、ふたりは両想いかな。