1、2、3、4、5、6・・・。
彼を見つめながら、秒数を数えてみた。
10、11、12・・・。
そのとき、丁度顔を上げた彼がこちらを見た。

・・・あ・・・。ぃ、今、目が・・・あっ・・・た・・・??

まんまるくて、澄んだ彼のひとみが私の目と重なり合った。反射的に、思わず目を背ける。

どきどきと、胸の鼓動が高鳴るのを感じた。かああっと、ほっぺが熱くなるのも分かる。あわてて両手をほっぺに当てて冷やそうとした。なのに、つい、口もとがゆるんでしまう。

・・・やった!結弦君と目が合った!!

いぇい!という喜びをこめたガッツポーズをしたら、ばっちりきーちゃんに見られてしまった。

「なあに、月影〜。ガッツポーズなんてしちゃって!やっぱりいい事あったんじゃん!教えてよ〜〜!!」

そういって、お腹をくすぐってくる。私は、くすぐったいのをこらえながら、笑いをはじけさせた。

「別になんもないってばぁ〜!!」