いつも話さない人とのアイコンタクトって、かなり難しい。

だって、相手と話せば自然と目は合う。ところが、彼とは、まず話せないので、アイコンタクトのしようがなかった。

仕方がないので、バレない程度に彼を見つめてみた。彼は私より前の席だから、後ろ姿しか見られないのだが。

じっと見つめる彼の背中。学校指定のネイビーブルーのジャージをただ見つめているだけ。なのに何故か、幸せを感じる。

本当にばかみたいだし、今誰かに心を読まれたら、なに言ってんの、と苦笑されるのは分かっているのだが、それでも思ってしまう。

ああ・・。結弦君のことが好きだなぁ・・・。

自分で思っておいて、自分で恥ずかしくなった。
今更、好きとか好きじゃないとか、そんなことはどうでもいいのだ。肝心なのは、彼の存在が必要か必要じゃないかだ。

私にとって、彼の存在は必要不可欠で、彼がいるから、今学校に来ていると言っても過言ではない。言ってしまえば、彼の存在イコール、私の生きている意味。
そんな方程式が成り立ってしまう。

重いとか思われても、仕方がないと思う。私自身もそう思うときがある。
だから、このふくらんだ想いを今、彼と半分こしたいと思っているのだ。私の方にばかり傾いたてんびんも、彼とつりあいたいし、早くしないと、このてんびんは重量オーバーで、壊れてしまう。そうなる前に、どうにかして現状を変えたい。


ねぇ、お願いだから、早く気付いてよ。