翌朝。
寝ぼけまなこで教室に入ると、すぐに目で愛希を探した。
すると、背カバンをロッカーにしまおうとしている彼の姿が、目にとまった。

「愛希!昨日どうしたん? もしかして、途中で寝ちゃったの?」

そう言うと、愛希は頭の上に、はてなマークを浮かべた。

「・・・、え? あー、そっか。途中で寝落ちしたんだったわー。わりぃ、わりぃ。でも、そのあと、返事打ったぞ〜?」

「え!?」

返事って、好きな人って誰?の返事??
でも、愛希が本気で答えるだろうか。

「なんて打ったの?」

「・・・そりゃあ、見てのお楽しみ♪」

彼は、上手くかわして、自分の席に戻っていく。
あーあ。
昨日は、少しだけ彼のことを見直したのに。好きな子に対する真剣な想いとか、情熱とか。好きな子のことは、そんなに真剣に考えているのに、他にことや、私のことは適当なんだなぁ。

まぁ、それもそうか。
誰だって、好きな人のためなら頑張れるし、好きな人のためならなんだって出来る。
そういうもんだ。

そのとき、ドアが開いて、きーちゃんが入ってくるのが見えた。私は、立ち上がって、彼女のそばに駆け寄る。

「きーちゃん、おはよ!」

「おは〜。どしたん、今日は元気だね〜。なんかいい事あった??」

どきっとする。
そういえば、昨日アゲハが、好きな人とよく目を合わせるようにすると良いと言っていた。・・・やらなきゃな。

「んーとね、これからいい日にするの!」

そう微笑むと、きーちゃんも笑った。

「ほー。そうなんか〜。頑張れ!月影!」

ありがとう。頑張ります。

恋の結果はアタックしだいで大きく変わるって、誰かが言っていたし、ね!