私の名前は、葉桜 月影(はざくら つきか)。
どこにでもいる中学3年生。
今は数学のテスト中。6時間目だから、凄く眠い。なんとなく、まわりの子も寝てるし。

でも一人、真剣にペンを走らせる男子がいた。

桜井 結弦(さくらい ゆづる)君。
凄く頭が良くて、足も速くて、おまけに塩顔でクールな顔立ちをしている。
そんな彼に、私はひそかに恋心を抱いていた。

中学生になると、みんなは彼氏彼女を作り始め、今ではクラスのほとんどの人が、いわゆるリア充だった。羨ましいと思う反面、結弦君に彼女がいないことにホッとしているのが本音だった。

しかし、結弦君とは同じクラスになれたものの、席が遠くて接点はまるでなかった。
片想い、と言う名の独りよがりを、いつまで続ければいいのだろうかと、私はいつも考えていた。