昨日のことを、ぼんやりと考えていた。
またしても、今日の6時間目は数学のテストだ。
半分解き終えて、ふと思う。
昨日のあの出来事は、ひょっとして夢なのではないだろうか。よくよく考えてみれば、いくら技術の進んだ今の日本でも、さすがにしゃべるちょうちょなんてのはいない気がする。ロボットにしては、やけにリアルだったし。
あの、鮮やかな紫色の羽根が、目の奥に焼きついて離れない。
やっぱり、あれは現実かもしれない。
そのとき、ざわっと辺りの空気がわいた。デジャブを感じながらも、そっと教室の中を見るとやはり、昨日のおかしなちょうちょがふわりふわりと舞い踊っていた。
しかし、昨日と様子が違う。辺りを飛び回るのではなく、なんと結弦君のそばばかりを舞っているのだ。それに気付いた男子が、にやにやと笑う。
桜井、ちょうちょにモテモテじゃーん!と、受け狙いのように叫ぶ。
そのとき、はっと気付いた。
たしか昨日彼女は、こう言っていた。私は人の心が読めるのだと。つまり、今やたらと結弦君の周りを飛び回っているのは・・・、
彼の心を読んでいるから?
またしても、今日の6時間目は数学のテストだ。
半分解き終えて、ふと思う。
昨日のあの出来事は、ひょっとして夢なのではないだろうか。よくよく考えてみれば、いくら技術の進んだ今の日本でも、さすがにしゃべるちょうちょなんてのはいない気がする。ロボットにしては、やけにリアルだったし。
あの、鮮やかな紫色の羽根が、目の奥に焼きついて離れない。
やっぱり、あれは現実かもしれない。
そのとき、ざわっと辺りの空気がわいた。デジャブを感じながらも、そっと教室の中を見るとやはり、昨日のおかしなちょうちょがふわりふわりと舞い踊っていた。
しかし、昨日と様子が違う。辺りを飛び回るのではなく、なんと結弦君のそばばかりを舞っているのだ。それに気付いた男子が、にやにやと笑う。
桜井、ちょうちょにモテモテじゃーん!と、受け狙いのように叫ぶ。
そのとき、はっと気付いた。
たしか昨日彼女は、こう言っていた。私は人の心が読めるのだと。つまり、今やたらと結弦君の周りを飛び回っているのは・・・、
彼の心を読んでいるから?