私がしているのは恋愛とは違うのかも知れない。
顔も知らない、名前・・・というかニックネームしか知らない。
お互いに通っている高校を知っているだけ。
それでも、彼氏も友達もいない私には充分だった。
毎日、スマホを開けば、やす君が励ましてくれる。
優しい言葉をかけてくれる。
こんなに満たされたのは初めてだった。
彼氏がいるって、もしかしたらこんな気分なのかも知れない。
学校の帰り道、電車の中で、ウキウキしながらスマホを開く。
やす君からメッセージが来ていた。
顔がにやけてしまいそうになりながらメッセージを開いてみる。
すると、思いもよらない言葉に心臓がドクン、と飛び跳ねる。

「ミサ、今日電話しない?」