楽しそうに話すリリカと黄金川先輩、そして騒ぐクラスメイト。
ここにいたくない気持ちになって席を立ち、トイレに行った。
特にトイレに用事があるわけでもなかったけれど。
とにかく1人になりたくて、授業が始まるまで個室にこもろうと思った。
洋式トイレに座って、ため息をついてしまう。

もちろん私も、黄金川先輩には憧れていた。
遠い存在過ぎて、好きという気持ちとはまた違ったけれど・・・。
リリカが入学する前から知っていたし、遠くから見ているだけで良かった。
それが急に妹の彼氏になって、妹は毎日愛されてる。
リリカも幸せそうだから、それで良いんだけど。
だけど、私は黄金川先輩の視界に入りたくなかった。
リリカと比べられて、醜い姉だと思われるのが耐えられないほど恥ずかしい。
それならこうして1人でトイレで時間をつぶしている方がましだった。
探しに来る友達もいないし。
気を取り直してスマホを取り出した。