ーガラッ

「失礼します。」


早速挨拶の原稿をもらうために職員室へ行った。

「あら、藤堂さん。入学式の挨拶の原稿ならこれよ。」

担任の田部先生に呼ばれて、ぎっしりと書かれた原稿用紙をもらう。


「我が校では毎年生徒会長が入学式でこれを読むの。藤堂さんのことだからまさかとは思うけど、失敗は許されないわよ。」


「はい、もちろんです。」


ニコッと笑って職員室を後にする。


失敗してほしくないなら、もっと前に原稿用紙渡してくれればいいのに。


そんなことを考えながら、事前に知らされていた自分のクラス、2年A組に行く。