[璃莉葉side]


翌日、放課後が近づくにつれて再び胸の高鳴りが止まらないあたし。



「ねぇ今日落ち着きないけどなんかあったの?」

「怜〜〜〜」



やっぱり怜には全てお見通しだなぁ。



「あのね、実は昨日…」



あたしは昨日起こったこと、そして今日の放課後その王子様と遊ぶ約束をしたことを全て話した。



「もうすぅぅぅっごくかっこよかったの!!!あたしの王子様♡」

「璃莉葉がそんなこと言うの珍しいね…男全員芋にでも見えてるのかと思ってた」

「んー、まぁ確かに今までは男の子ってみんな同じでこんな気持ちになったのは初めてかも」

「それってさ…まぁいいや、で、誰なの?そいつ」

「知らない♡」

「はぁ!?」

「だって〜、あたしのことは知ってる風だったけど自分のことは名乗らなかったし〜」

「なんだそれ…」

「なんかー、女の子と一緒にいたけど彼女じゃなくてー、彼女は作らない主義でー…」



ん、確かあの時…



「りかって呼ばれてた!」

「りか…?それって1組の王子のことじゃない?」

「王子…?」

「ものすっごいイケメンだから王子って呼ばれてるらしいよ」

「ふぇッ!?あたしそんなの知らないで王子とぎゅーしちゃったよ!!それに遊ぶ約束まで…!」

「あー、まぁそいつ相当女癖悪いらしいし…ま、あんたも男癖悪いし似た者同士じゃん?」

「ちょっとぉー!あたしはそんなんじゃないもん!そうゆうつもりでしてるんじゃないもん…!」

「はいはい…でも王子と姫なんてお似合いだね」

「えへへ〜そうかなぁ〜?」

「あ、でもただの王子じゃないの、みんなの王子らしいよ」

「みんなの王子…?」

「誰とも付き合わないからだって」



そこでチャイムが鳴り、あたしと怜は席に着いた。



そっか…

あたしだけじゃなく、みんなの王子なんだね…

あれだけかっこいいんだもん、みんな王子様って思うよね…