あたしたちはダッシュしてギリギリ授業に間に合った。


今日は雨だから体育館でバスケの授業。


正直今、バスケどころじゃないんだよなー…



「璃莉葉!危ない!!」

「ぇ…」



頭に強い衝撃。

目の前が一瞬暗くなり、あたしはその場に膝をついた。



「大丈夫!?」



怜がすぐに駆け寄ってくれる。

近くに転がったボールを見て、それが頭に当たったんだと理解する。



「…ごめん、ボーッとしちゃった」

「保健室行こ!私ついてくから!」

「大丈夫だよ、大したことないって」

「何言ってんの!ほら行くよ!!」

「わかった、わかったから、1人で大丈夫!」

「ほんとに…?」

「怜あたしのこと心配しすぎ〜!あたし愛されてる〜」

「〜ッ、早く行け!!」

「はーい」



怜は中学の頃バスケ部で、バスケが大好きだから、あたしのせいで試合を中断させたくなかった。

ほんとは少しふらつくけど怜に悟られないように保健室に向かった。