[璃莉葉side]
「〜♪♪」
王子攻略1日目。
朝からテンション高めのあたし。
なぜかって、利夏くんを落とすためにとりあえず見た目から入ることにしたあたしは今日、普段よりちょっと気合を入れてメイクをして、髪も巻いてみた。
それがなかなかいい出来で我ながら生まれつき持ったこの顔を誇りに思う。
そんな訳でこのテンション。
「〜♪♪♪」
駅の改札を通ってホームで電車を待つ。
メイクと髪に時間をかけたせいでいつもより何本か遅い電車。
「うわ……」
待つこと数分でやって来たのは満員電車。
忘れてたけどそういえば…
この時間はちょうど通勤ラッシュのピークだったんだ…
以前この時間帯の電車に乗った時にはそれはもう酷い有り様だった。
座席は当然空いておらず、掴まる場所さえない。
電車が揺れる度に人にぶつかり、足を踏まれ、各駅に停まるごとに追加される人で更に押し潰される。
電車を降りた時には髪はボサボサ、メイクは崩れるで散々だった。
あーあ、最悪…
せっかく上手くできたメイクと髪を崩したくなくて、なんとか隅の方にスペースを確保し、窓側に顔を向けてメイクが崩れるのを阻止する。
そうして気を張りながら電車に揺られているとお尻に何か違和感。
「……?」
なんか当たってるような…
チラッと後ろを見るとサラリーマンのおじさん。
その手元には黒い鞄。
あ、なんだ、鞄が当たっただけか。
なんて思っていた矢先…
「……!!」
今度はあからさまに手が当たる感覚。
意図的にスカートの上からお尻を撫でる手に身体が硬直する。
嘘…
これって痴漢…!?
抵抗しなきゃなのに、声をあげなきゃなのに、身体は固まったままピクリともしない。
思考回路まで停止してしまう。
ただただ冷や汗が止まらないまま立ち竦んでいるとお尻を撫で回していた手が下に下がって次は直に太ももを撫で始めた。
「ヒッ…」
キモチワルイキモチワルイキモチワルイ
硬直していた身体がカタカタと震えだし、目には涙が溜まる。
とうとう手がスカートの中へと忍び込もうとする。
いや…!
誰か……!!
「〜♪♪」
王子攻略1日目。
朝からテンション高めのあたし。
なぜかって、利夏くんを落とすためにとりあえず見た目から入ることにしたあたしは今日、普段よりちょっと気合を入れてメイクをして、髪も巻いてみた。
それがなかなかいい出来で我ながら生まれつき持ったこの顔を誇りに思う。
そんな訳でこのテンション。
「〜♪♪♪」
駅の改札を通ってホームで電車を待つ。
メイクと髪に時間をかけたせいでいつもより何本か遅い電車。
「うわ……」
待つこと数分でやって来たのは満員電車。
忘れてたけどそういえば…
この時間はちょうど通勤ラッシュのピークだったんだ…
以前この時間帯の電車に乗った時にはそれはもう酷い有り様だった。
座席は当然空いておらず、掴まる場所さえない。
電車が揺れる度に人にぶつかり、足を踏まれ、各駅に停まるごとに追加される人で更に押し潰される。
電車を降りた時には髪はボサボサ、メイクは崩れるで散々だった。
あーあ、最悪…
せっかく上手くできたメイクと髪を崩したくなくて、なんとか隅の方にスペースを確保し、窓側に顔を向けてメイクが崩れるのを阻止する。
そうして気を張りながら電車に揺られているとお尻に何か違和感。
「……?」
なんか当たってるような…
チラッと後ろを見るとサラリーマンのおじさん。
その手元には黒い鞄。
あ、なんだ、鞄が当たっただけか。
なんて思っていた矢先…
「……!!」
今度はあからさまに手が当たる感覚。
意図的にスカートの上からお尻を撫でる手に身体が硬直する。
嘘…
これって痴漢…!?
抵抗しなきゃなのに、声をあげなきゃなのに、身体は固まったままピクリともしない。
思考回路まで停止してしまう。
ただただ冷や汗が止まらないまま立ち竦んでいるとお尻を撫で回していた手が下に下がって次は直に太ももを撫で始めた。
「ヒッ…」
キモチワルイキモチワルイキモチワルイ
硬直していた身体がカタカタと震えだし、目には涙が溜まる。
とうとう手がスカートの中へと忍び込もうとする。
いや…!
誰か……!!