[利夏side]


「利夏くんッ…!」



俺を呼ぶ声が聞こえた瞬間、後ろから細い腕に抱きつかれた。



「送ってくれてありがとぉ…気をつけて帰ってね」



それだけ言うと細い腕は離れて後ろからパタパタと走り去っていく足音が聞こえた。


あ…


"利夏くんッ…!"


さっき初めて俺のこと名前で呼んだ…