[璃莉葉side]


「楽しかったねー!また一緒に行きたいなぁ♪」

「…もう行かないよ」



帰りの電車に揺られながら王子はつれない返事をする。


もう、素直じゃないんだから!

でも今日で王子と距離近くなれたし、これからもっともっと仲良くなれたらいいなぁ♡



「璃莉葉ちゃんさぁ、今日で俺と距離近くなったとか好感度上がったとか思ってそうだから言うけど、行き場も教えられないまま無理矢理連れてこられた挙句に絶叫系乗せられて…好感度下がりまくりだからね」

「う…ごめんなさい…」



たった今思っていたこと見事に当てられちゃった…

それに好感度下がりまくりって…(泣)



「あ!あたしここで降りなきゃ!勝手に連れ回してごめんね、また明日ね!」



あたしは電車を降りて王子に手を振ろうと振り向いたんだけど…



「ちょっ、なんで降りてるの!?」



なぜか王子まで一緒に降りていて。



「遅いし送る」

「え、でも…」

「なんかあって俺のせいにされたら困るし…ほら行くよ」

「…ありがと……////」



あたしのこと好きでもなんでもないくせに当たり前にこうゆうことしてくれるんだ…

王子って根は優しい人なのかな…



「言っとくけど璃莉葉ちゃんが特別とかじゃないからね、遅くなった時は誰でも送るし」

「え、あ、そうなんだ…」



なんだぁ、ちょっと期待しちゃったあたしバカみたい。

でも誰とか構わずちゃんと送ってあげる王子はやっぱり優しい人なんだね。