[璃莉葉side]


「起きろクソビッチ」



ん…?

今何か聞こえたような…



「んぅ…?わぁっ!?!?」



どうやら眠ってしまっていたらしいあたしの目は今ので完全に覚めた。


だって目の前に王子がいるんだもん!!



「おはよ」



にっこりと笑う王子。



「お、おはよぉ…///ごめんね、あたし寝ちゃって…」



王子が来るのわかっててなんで寝ちゃったのよあたし!!

寝顔、見られちゃったよね…?

うぅ、恥ずかしい…


少し乱れた髪をササッと直す。


王子の目に少しでも可愛く映りたいなんて…

こんな気持ち、初めてだよ…



「あ、何して遊ぶ?どっか行く?まだ時間あるし映画とか…?」



あたしは王子が来る前に開けた窓を閉めながら話す。



「璃莉葉ちゃん」

「なぁに?」



振り返ると軽く両手を広げた王子。



「おいで?」

「…ッ////」



まただ…

胸の奥がキュンッと痛む。


あたしは恐る恐る王子に近づく。

ふわっと香水の匂いが鼻を掠め、あたしの身体は王子の腕の中に包まれる。


やっぱり王子のぎゅーは他の男の子がしてくれるのと全然違う…

ううん、ぎゅーだけじゃない、王子の全部が特別なんだ…