[利夏side]


放課後、飽き教室に向かうまでに数人の女に呼び止められて随分遅くなってしまった。


もしかしたらもういないかも…

そもそも最初からすっぽかされてたりして…

まぁそれならそれでいいんだけど。


なんて考えながら飽き教室のドアを開ける。


一瞬、誰もいないかと思ったが、窓側の席にうつ伏せになっている小さな身体を見つける。



「ごめん、遅くなって…」



近づきながら声をかけるも返答がない。



「璃莉葉ちゃん?」



不思議に思って顔を覗く。


寝てる…


小さな寝息をたてる妙に整いすぎた顔。


これだけ整っていればクソビッチになるのもまぁわかる気がする…



「璃莉葉ちゃん、起きて」



俺は可愛いお顔を眺めるために来たんじゃないからね、眺めるだけで満足する奴じゃないからね。



「璃莉葉ちゃん」



細い肩を揺すっても起きる気配も見せない目の前の子にだんだんイライラが募る。



「璃莉葉ちゃん、りーりーはーちゃん!」



はぁ…



「……起きろクソビッチ」