優斗もアタシの言ったことを理解してくれて、アタシの頭をポンポンと撫でて『うん』とだけ答えた。



それから他愛もない話をしてた。


今度集まる時は何しようか、とか

みんなで旅行もいいね、とか

逆に先輩にドッキリ仕掛けてみるか、なんて話をしてて。


盛り上がってたら先輩が唸りながら起きた。


『寝てても地獄耳…』


ちょうど先輩の話をしてた時で、優斗の発言にアタシも思わず笑ってしまった。


『お〜い、こっち来いよぉ』
なんて寝転んだまま寝ぼけてアタシを呼ぶ先輩。



「酔っ払いはお断りです」って笑顔で答えたら


『俺は、酔っ払ってなんかないぞ』


そう言って這いずりながら近寄ってきた。


さすがに怖すぎる。



まるで某ホラー映画のテレビから出てくる女の人みたいだった。

優斗の背中に思わず逃げて、優斗が足で先輩を止めながらアタシを見て笑って言った。


『逃げるついでに買い出しよろしく。俺コーヒーね』


『俺は冷たい水…いつものミネラルウォーターで…』


這っていた先輩からも声がして、思わず先輩を見た後に優斗と顔を合わせて笑った。